古書&アート作品

グレゴリ・ジルボーグ
『医学的心理学史』

1958、みすず書房、初、函(少焼け)、数ヶ所マーカー跡あり、菊判、403P、神谷美恵子訳
2,000円

ヒューマニスティックな精神から精神医学の歴史を紐解く名著。 「同じ人間でありながら、精神病者を各時代の人々はどのように捉え、取り扱ってきたのか。人間とは何か、人間の精神はどのように働くのか、人間の生きた心理を扱う、精神医学の基礎としての医学的心理学の歴史をヒューマニズムの視点から考える。医学的心理学と精神医学の誕生と発達の物語は内科学や外科学の歴史の要求する方法とは全く異なったやり方を必要とする。・・・内科学や外科学を語るには医者たちとその努力を物語ればよいが、精神医学のほうは文化の発達や法律学、神学、哲学などのある面の探究を必要とする。」

J. D. バナール
『歴史における科学』

1956、みすず書房、初、鎮目泰夫、長野敬訳
00円 (在庫なし)

「歴史は、過去においては、人類の意図と、人類の行動と、そしてまた、意識的にめざした目的とは非常に異なるものとなってしまったばあいの方が多かった事態のなりゆきとの記録であった。歴史は、ぼんやりとしか推量できぬ諸力の作用の場であり、しかもその力は、人間をもてあそぶ超越的存在物であるとあまりにたやすくみなされていた。われわれがそれ以上のものを歴史のなかに見いだすにつれ、また、それらの諸力や諸力がしたがわねばならぬ法則についてなにかを理解しはじめるにつれ、歴史の諸事件は意識的な計画と実行との結果となってゆくであろう。エンゲルスもいうように、社会の科学の発見ととに、人類の真の歴史は始 »続きを読む

村上陽一郎
『日本近代科学の歩み』

1968、三省堂、初、帯、本体痛みあり、新書版、191P
00円 (在庫なし)

西欧と日本という東西二つの異質文化がぶつかり合う接点としての科学の移入の歴史を論じた書。 「日本が、科学を技術と考え、自然をコントロール手段とみなし、日本人自身の奥底にある独特の自然との付き合い方には手をつけずに、問題解決、目的達成の道具、器械として西欧科学を処理できる時代は、ようやく終わりつつある。科学・技術は、現在では、われわれ一人一人を、いやおうなく縛る思考上の枠組みとして、自然に対する西欧的な≪なぜ≫の追及方法を強制しているばかりではない。それに付随してもたらされた社会機構が、科学・技術を自らの都合の良いように利用する、という現象、つまり科学する主体の側が、造り上げ »続きを読む

丸山眞男
『後衛の位置から』

1982、カバー、帯、四六版、191P
1,000円

『現代政治の思想と行動』への英語版序文、憲法九条をめぐる考察や日本の知識人論など。 「・・・たしかに私は、これらの論文のなかでの日本分析が、生理学的なアプローチというよりも病理学的なそれに傾いていることを否定はしない。しかし戦争直後の状況に鑑みるならば、このことは不自然ではなかった。社会科学者の探究に生気を与えたのは、一つの大いなる問いであった。すなわち、日本をあの破滅的な戦争に駆りたてた要因は何であったのか?過去数十年にわたって西欧の学問・技術・生活様式を吸収し、日本もしくはアジアの伝統よりも西欧の伝統のほうにくわしかった―あるいは少なくとも自分ではそう信じていた―日本の »続きを読む