人文科学

ルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタイン
『論理哲学論考』

1968、法政大学出版局、初、カバー(少切れ)、帯(少焼け)、四六版、344P、藤本隆志、坂井秀寿訳
2,000円

哲学上の諸問題を扱ったヴィトゲンシュタインの代表作。 「哲学の正しい方法 『論理哲学論考』はいかに理解されねばならぬか。 哲学の正しい方法とは本来、次のごときものであろう。語られうるもの以外なにも語らぬこと。ゆえに、自然科学の命題以外なにも語らぬこと。ゆえに、哲学となんのかかわりももたぬものしか語らぬこと。――そして他のひとが形而上学的なことがらを語ろうとするたびごとに、君は自分の命題の中で、ある全く意義をもたない記号を使っていると、指摘してやること。この方法はそのひとの意にそわないであろうし、かれは哲学を学んでいる気がしないであろうが、にもかかわらず、これこそが唯一の厳正 »続きを読む

梅原猛
『少年の夢』

1994年、協和発酵[制作:電通]、非売品、カバー(少汚れ)、124P
1,000円

「・・・私は、夢がなかったら人間は人間ではありえない、文明というものはなかった、と思うのですが、このわれわれ人間のなかには、特別に夢の好きな人、夢に命をかける人がいます。人一倍大きな夢を見て、それを実現した人がいる。私は、そういう人たちには、一つの共通したものがあるように思うんです。それは何か?すべてがそうとは言いませんが、そういう夢を見る人間には、心に大きな傷を持っている人が多いんですね。この人はどうしてこんなに大きな夢を持ったのか、どうしてその夢を実現するのに一生をかけることができたのかを見てゆくと、心に大きな傷、コンプレックスがある場合が多いんですね。その心の傷が夢を »続きを読む

江原順
『見者の美学』

1959年、弘文堂、初、カバー(少痛み)、四六版、294P
1,000円

「・・・この作家[デュシャン]は、キュビスムの画家として、ブラックとドローネーのあいだに位置づけられてきました。この画家が、「既成品」によって現れる以前に、すでにかれを著名にした“す早い裸体にかこまれた王と王妃”“独身者たちに裸にされる既婚婦人”などをみても、すでにこの画家の無意識にたいする関心が、かれの主題となりつづけてきたことがわかります。けれども、これらの絵では、なお、たとえば、道ですれちがった“裸体”やものが、思いがけなく激しく、意識に遺す痕跡などのような、人間と人間、人間とものとのあいだに不意に起る無意識の交流の探究に限られていたようです。けれども、かれは「既成品 »続きを読む

エドガー・ウィント
『芸術と狂気』

1965、岩波書店、初、函(背焼け・痛み)、255P、四六版、高階秀爾訳
1,000円

BBCリース・レクチャーによる連続講演に基づいたもの。 「・・・これまでの説明で、≪芸術≫という言葉と≪混乱・狂気≫という言葉とを並べたのは、私の独創でもなんでもないことが明らかになったことであろう。私はただ、プラトン、ゲーテ、ボードレール、ブルクハルトなどの心を占めていた思想を反映しているに過ぎない。そのほかにも、これらの人びとと同じようにお互い同士まったく違っていながら同じような芸術の根源に触れて同じ考えを表明した文筆家は、数多くその名を挙げることができる。しかしながら、このような思想がいっこうに新しいものではないというその事実そのものが、おそらくそれ故にいっそう強くわ »続きを読む

ラングドン・ウォーナー
『推古彫刻』

1958、みすず書房、初、函、菊版、182P、寿岳文章訳、朝河貫一序
3,000円

米国の傑出した東洋美術史家であり、日米戦争を憂いた平和主義者による日本彫刻論。  「・・・芸術史上、推古と呼ばれる時代は、聖徳太子の叔母にあたる偉大な天皇の名に由来し、仏教の伝来から奈良遷都までの、発展のめざましい百五十年間にわたる。日本はこの間に、野蛮国から帝国に成長した。理由を尋ねないでは、どんな規則をもうけ入れないことに慣れているわれわれアングロサクソンには、不可能としか思えないのだが、日本は、僅かばかりの律令を作るという簡単な過程によって、全くあっという間に、革新の實をとげたように思われる。日本の歴史には、西洋の心にもすぐぴんとくるいく場面かがあった。芸術の輝かしい »続きを読む