社会科学

上野千鶴子
『家父長制と資本制:マルクス主義フェミニズムの地平』

1990、岩波書店、初、カバー、本体少経年染み、四六版、330P
1,500円

構想10年、著者渾身の書。 「フェミニズムの社会理論は、近代批判から出発した。性差別は、≪近代≫のただ中にあった。それは≪近代≫に≪あるはずのない≫もしくは≪あってはならない≫ものどころか、それなしには≪近代≫が成り立たない構造的な要因として、組み込まれていた。それは≪前近代の残滓≫でもなければ≪近代の不徹底≫でもなかった。フェミニズムはこの近代的な性支配のしくみを、構造的に解明しようとした。 フェミニズムは近代が産んだ思想だが―その限りで、マルクス主義やフロイト理論が近代の思潮であるのと同じである―同時代批判の理論として成立した。フェミニズムを近代主義と等置する人々は、た »続きを読む

玄田有史
『仕事のなかの曖昧な不安:揺れる若者の現在』

2001年、中央公論新社、初、カバー(裏少汚れ)、帯、四六版、251P
1,000円

「『働く』ことに、二つの不安がうずまいている。ハッキリとした不安、そして曖昧な不安である。・・・ハッキリとした不安についての予測や対策は、研究や報告がたくさんある。ここではそれらと違った、あまり意識されないが、もっと深刻な不安に目を向けてみたい。それが、仕事のなかの曖昧な不安である。・・・」 【関連本】 A Nagging Sense of Job Insecurity: The New Reality Facing Japanese Youth Yuji Genda (Second Edition 2006, I-House Press) 1,000 yen   »続きを読む

E. H. カー
『危機の二十年』

1952、岩波書店、初、井上茂訳、本全体に経年シミ、B6版、324P
1,000円

二つの大戦を生んだ危機の二十年の国際社会の矛盾とディレンマを分析した書。 「戦争への激情が、かき立てられると、この破局を単に一群の僅かな人々の野心と傲慢とのせいにしてしまって、それ以上の解明を求めようとしない状態になりがちであるのは、ほとんど宿命的のようである。しかし、論争が現に行われつつあるときですら、この悲惨事の直接の個人的な原因を求めるよりも、むしろその根底にひそむ深い意味をもつ原因の分析に努力を向ける方が実際には重要であると思われる。もし、平和が世界にかえってくるものなら、そしてまた、事実そのような場合には、ヴェルサイユ条約から十二年と三ヵ月しかたたないのに、第二の »続きを読む

姜尚中・吉見俊哉
『グローバル化の遠近法:新しい公共空間を求めて』

2001、岩波書店、初、カバー、帯、四六版、230P
00円 (在庫なし)

グローバル化が世界および日本へもたらす地殻変動の意味、そしてその中での新しい公共空間の在り方を模索する。 「・・・現在われわれが目撃しつつあるグローバル化と≪ナショナリズムの逆流≫は、決して冷戦の終わりとともに突如として浮上してきたわけではないことがわかるはずである。それはすでに戦間期の≪危機の二十年≫のなかに胎動しつつあったのだ。 われわれは、このようにして≪危機の二十年≫の間に胎動しつつあった新しい知と実践、社会システムの地政学的布置を≪二十世紀空間≫と名づけていくことにしたい。・・・各主権国家間の公式的な平等性を基礎としながらも、強力な覇権構造を内包したこのシステムの »続きを読む

マリウス・B・ジャンセン
『日本:二百年の変貌』

1982、岩波書店、初、カバー、帯、四六版、232P、加藤幹雄訳
00円 (在庫なし)

米国を代表する日本研究者が、日本の近現代史の軌跡を辿りながら、今後の日本の進路を考える上での示唆を提供する書。「・・・最後に、この≪日本とその世界≫に関する講演について、私の友人たちが指摘している点に触れておかねばなりません。彼らの言うように、杉田玄白、久米邦武、そして第三部で取り上げた二十世紀の日本人たちについて私が論じたのは、彼らの中国とのかかわり方という視点からではなく、西欧とのかかわり方の視点からでありました。これは、日本の知的志向が中国から西欧世界へ大きく移行したことを示すものである、という結論に読者は達するかもしれません。ある意味では、それはもちろん正しい結論で »続きを読む