社会科学

イマニュエル・ウォーラーステイン
『近代世界システム1,2』

1981、岩波書店、初、カバー(2巻の背少ヤケ)、1巻の1ページ少スレ
2,500円

「万物は変化するという言葉がある。しかし、天の下、変化するものなしともいう。いずれの常套句も一面の≪真理≫ではある。構造というものは、珊瑚礁にも似て、比較的長い期間にわたって確固として動かない人間関係のことであるが、同時にそれは、生まれ、成長し、やがて死に至る生きものでもあるからだ。 社会変動の研究という言葉は、社会諸科学の総合の意味にも用いられようが、そうでなければ、もっとも変化しにくい現象の変化の研究というくらいの意味に限定して使用すべきであろう。とはいえ、変化しにくいということの意味そのものも、歴史上の時と所によって変化しうるものであるわけだが。 世界を対象とする社会 »続きを読む

上野千鶴子
『家父長制と資本制:マルクス主義フェミニズムの地平』

1990、岩波書店、初、カバー、本体少経年染み、四六版、330P
1,500円

構想10年、著者渾身の書。 「フェミニズムの社会理論は、近代批判から出発した。性差別は、≪近代≫のただ中にあった。それは≪近代≫に≪あるはずのない≫もしくは≪あってはならない≫ものどころか、それなしには≪近代≫が成り立たない構造的な要因として、組み込まれていた。それは≪前近代の残滓≫でもなければ≪近代の不徹底≫でもなかった。フェミニズムはこの近代的な性支配のしくみを、構造的に解明しようとした。 フェミニズムは近代が産んだ思想だが―その限りで、マルクス主義やフロイト理論が近代の思潮であるのと同じである―同時代批判の理論として成立した。フェミニズムを近代主義と等置する人々は、た »続きを読む

玄田有史
『仕事のなかの曖昧な不安:揺れる若者の現在』

2001年、中央公論新社、初、カバー(裏少汚れ)、帯、四六版、251P
1,000円

「『働く』ことに、二つの不安がうずまいている。ハッキリとした不安、そして曖昧な不安である。・・・ハッキリとした不安についての予測や対策は、研究や報告がたくさんある。ここではそれらと違った、あまり意識されないが、もっと深刻な不安に目を向けてみたい。それが、仕事のなかの曖昧な不安である。・・・」 【関連本】 A Nagging Sense of Job Insecurity: The New Reality Facing Japanese Youth Yuji Genda (Second Edition 2006, I-House Press) 1,000 yen   »続きを読む

E. H. カー
『危機の二十年』

1952、岩波書店、初、井上茂訳、本全体に経年シミ、B6版、324P
1,000円

二つの大戦を生んだ危機の二十年の国際社会の矛盾とディレンマを分析した書。 「戦争への激情が、かき立てられると、この破局を単に一群の僅かな人々の野心と傲慢とのせいにしてしまって、それ以上の解明を求めようとしない状態になりがちであるのは、ほとんど宿命的のようである。しかし、論争が現に行われつつあるときですら、この悲惨事の直接の個人的な原因を求めるよりも、むしろその根底にひそむ深い意味をもつ原因の分析に努力を向ける方が実際には重要であると思われる。もし、平和が世界にかえってくるものなら、そしてまた、事実そのような場合には、ヴェルサイユ条約から十二年と三ヵ月しかたたないのに、第二の »続きを読む

姜尚中・吉見俊哉
『グローバル化の遠近法:新しい公共空間を求めて』

2001、岩波書店、初、カバー、帯、四六版、230P
1,000円

グローバル化が世界および日本へもたらす地殻変動の意味、そしてその中での新しい公共空間の在り方を模索する。 「・・・現在われわれが目撃しつつあるグローバル化と≪ナショナリズムの逆流≫は、決して冷戦の終わりとともに突如として浮上してきたわけではないことがわかるはずである。それはすでに戦間期の≪危機の二十年≫のなかに胎動しつつあったのだ。 われわれは、このようにして≪危機の二十年≫の間に胎動しつつあった新しい知と実践、社会システムの地政学的布置を≪二十世紀空間≫と名づけていくことにしたい。・・・各主権国家間の公式的な平等性を基礎としながらも、強力な覇権構造を内包したこのシステムの »続きを読む