社会科学

姜尚中・吉見俊哉
『グローバル化の遠近法:新しい公共空間を求めて』

2001、岩波書店、初、カバー、帯、四六版、230P
1,000円

グローバル化が世界および日本へもたらす地殻変動の意味、そしてその中での新しい公共空間の在り方を模索する。 「・・・現在われわれが目撃しつつあるグローバル化と≪ナショナリズムの逆流≫は、決して冷戦の終わりとともに突如として浮上してきたわけではないことがわかるはずである。それはすでに戦間期の≪危機の二十年≫のなかに胎動しつつあったのだ。 われわれは、このようにして≪危機の二十年≫の間に胎動しつつあった新しい知と実践、社会システムの地政学的布置を≪二十世紀空間≫と名づけていくことにしたい。・・・各主権国家間の公式的な平等性を基礎としながらも、強力な覇権構造を内包したこのシステムの »続きを読む

マリウス・B・ジャンセン
『日本:二百年の変貌』

1982、岩波書店、初、カバー、帯、四六版、232P、加藤幹雄訳
1,000円

米国を代表する日本研究者が、日本の近現代史の軌跡を辿りながら、今後の日本の進路を考える上での示唆を提供する書。「・・・最後に、この≪日本とその世界≫に関する講演について、私の友人たちが指摘している点に触れておかねばなりません。彼らの言うように、杉田玄白、久米邦武、そして第三部で取り上げた二十世紀の日本人たちについて私が論じたのは、彼らの中国とのかかわり方という視点からではなく、西欧とのかかわり方の視点からでありました。これは、日本の知的志向が中国から西欧世界へ大きく移行したことを示すものである、という結論に読者は達するかもしれません。ある意味では、それはもちろん正しい結論で »続きを読む

姜尚中
『ナショナリズム』

2001、岩波書店、初、カバー、四六版、161P
1,000円

「・・・冷戦の終結は、日米同盟の漂流を促し、同時に凍結されてきた植民地や戦争の記憶の解氷を加速させることになった。これらの動きは、他方では昨年の歴史的な南北朝鮮の首脳会談の実現とも関連して北東アジアの冷戦の構図を塗り替えようとしている。それは、戦後の日本にその外交・安保・防衛さらに政治・経済・教育などというシステムと、その記憶の装置そのものに変化を促そうとしている。そしてまさに変化の激震が日本を揺るがそうとしているときに国家に収斂し、そこに帰着点を見いだそうとするネオ・ナショナリズムが澎湃と沸き起こり、北東アジアは再び対立と不信の悪循環のなかに退行しようとしているのである。 »続きを読む

歴史思想集別冊、丸山眞男・加藤周一対談『歴史意識と文化のパターン』

1972、筑摩書房、裏表紙、最終ページ少ヤブレあり、16P
00円 (在庫なし)

「加藤:ぼくはこんどの丸山さんの解説を読んで実におもしろかった。丸山さんが≪古層≫という言葉でいっていることは、持続低音として続いているというわけでしょう。主旋律は時代によって違う。それはたいてい外からのインパクト、まあ簡単にいえば、仏教と儒教と西洋思想ですね、それとの接触から出て来る。しかし、持続低音はずっと同じ調子で続いている、という考えでしょう。・・・ぼくは非常にうまい比喩だと思う。日本文化史のすべての面について、そういえるのじゃないかと思うんです。 だから、主旋律というか、はっきり表現された意識的な世界観は外国思想とのぶつかり合いで出てくるのだが、≪古層≫としての持 »続きを読む

鶴見和子
『デューイ・こらいどすこおぷ』

1963、未来社、初、カバー(少焼け、痛み)、菊判、262P
1,500円

アメリカのコモン・センスを代表する思想家ジョン・デューイの自身の見方の変容を社会学者の鶴見和子が語る。「デューイは、これまでの哲学者のように、精神と物質、主観と客観等、哲学者があたまの中からつくりだしたかんねんから出発することをやめようと提唱する。そのかわりに、ふつうの人が、毎日つきあたる日常の粗い経験(gross experience)から出直そうという。わたしたちが、つらいとかたのしいとか、苦しいとかこころよいとかいう感じをもって、じかに外界をあじわうことから始まる。苦しみやつらさをとりのぞくために、設計をたてる。そして、道具(それはものであってもいいし、またコトバであ »続きを読む