『オマージュ: イサム・ノグチ』
安斎重男

1992年、19cm x 29cm、サイン有り

00円 (在庫なし)

イサム・ノグチさんのこと
Isamu Noguchi

「私がイサムさんと初めて会ったのは、73年の日本橋にあった南画廊での個展の時でした。そのあと、あちこちで少しずつ会いましたが、85年、ニューヨークに滞在中『アート・フォーラム』という雑誌から、ロング・アイランドに出来て間もないイサム・ノグチ・ガーデン・ミュージアムのフォト・エッセイを頼まれたんです。

早速イサムさんに電話でOKをもらい、機材を運び込んだわけです。このミュージアムは、どう並べたら作品のコンセプトがよく見えるか、イサムさん自身の手で、永い時間をかけて陳列されたという、とてもぜいたくな空間です。そんな訳で、私は通り一遍な撮影をしたくなかった。朝早く窓から入る陽の光や、マンハッタンの夜景など、空間の性格を取り込んだ作業をしたかったのです。イサムさんにそんな訳をはなしてここに泊めてほしいと頼み込み、セキュリティのシステムを全部OFFにしてもらったわけです。それ以後イサムさんは、≪二晩もイサム・ノグチの彫刻と寝た男≫とパーティで私を紹介する始末。でもよほどうれしかったとみえて、撮影がすんだ日の朝早く、私の機材をフォルクスワーゲンに積んで、マンハッタンまでドライブしてくれたんです。夢のようなはなしです。」

安斎重男

(1992年季刊みづゑ春号NO962)