『記憶としての建築空間:イサム・ノグチ/谷口吉郎/慶應義塾』

慶應義塾大学アートセンター編、2005、227P

1,000円

萬來舎/ノグチ・ルームの存続の問題が浮上の折、改めてそのユニークな建築空間の意義を考え、記憶としての建築の側面を論じたもの。
「・・・本来、多様な年齢・関心の人々が集い、しかも外部の人も自由に出入りできるはずの≪大学≫という空間。しかし、実態は、様々な制度的なハビトゥスに雁字搦めに拘束され、学生たちが自由に集い語らう場すら十分に与えられていない、没コミュニケーティヴな空間(もちろん、学生たちにも責任の一端はある)。≪萬來喫茶イサム≫は、そうした大学の制度的網目の透き間を、コミュニケーティブな熱気で押し広げ、大学が通常抑圧している文化的潜勢力を再活性化しようとする≪セルフ・オルタナティヴ≫な試みであったように思う。・・」(熊倉敬聡『萬來喫茶イサム:新≪萬來舎≫を生きるある試み』)より