梶井基次郎
『桜の樹の下には』

梶井基次郎
1901年生まれ、1932年没。小説家。代表作に『檸檬』(1925年)など。
関野準一郎
1913 年生まれ、1982 年没。1960 年ノースウエスト国際版画展シアトル美術館賞受賞。1975 年芸術選奨文部大臣抄受賞。 ヴィナスの誕生(1949 年、私刊)、版画を築いた人々(1973 年、美術出版社)

1969年 大雅洞 限定 88 部内非売品 20 部の 1 番 総皮装 夫婦函 関野準一郎挿絵・銅版・木版画各 2 葉、本体三方経年少シミあり

7万2千円

「桜の樹の下には

桜の樹の下には屍体が埋まってゐる!これは信じていいことなんだよ。何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことぢゃないか。俺はあの美しさが信じられないので、この二三日不安だった。しかしいま、やっとわかるときが来た。桜の樹の下には屍体が埋まってゐる。これは信じていいことだ。」