建石修志
『屍衣』

建石修志
1949年東京生まれ。鉛筆画を中心とした作品をはじめ、油彩とテンペラによる混合技法、コラージュなどによる創作、また幻想文学関連の数多くの挿絵の仕事を手がける。作品集に『変形譚』、『標本箱の少年』など。

1976年、鉛筆画、50cm x 43 cm

00円 (在庫なし)

「・・・中井英夫が自著の装画の書き手として最も多くの場合選んだのが建石修志だった。もともと装丁挿画には恵まれた作家で、野中ユリや司修などによる美しい著書が多くあるが、やはり中井英夫の本と言えばまず建石修志、というのが多くの印象だろう。『とらんぷ譚』として後にまとめられた四部作、『月蝕領宣言』『黒鳥の囁き』『LA BATTEE(ラ・バテエ)』『ケンタウロスの嘆き』、そして第二期の『中井英夫作品集』(全十巻別巻一)等々、とりわけ晩年になるに従い、建石修志挿画もしくは装丁の著が増えてゆく。 この画家は、初期には鉛筆による作品が多く、建築画にすぐれ、結晶・鉱物など堅いもの、そして天使、天体等のいわば形而上的な題材を描くことを偏愛する。人体を描くさいも細密な陰影と明確なフォルムによって曖昧さのない彫像のような物質感を与えるものが多く、ときに骨がモティーフとなっている場合もある。おそらくはその硬質・明確好みのゆえだろう、女体よりも男体を描くことの方が多い。最近はコラージユ風の技法に歯車やシャフトなどの金属部品を用いたボックスアートをも制作している。  硬質、細密、彫像を描くような、という画の特徴はちょうど渋澤龍彦が≪幻想的な物語のリアリティーを保証する≫とした≪極度に人工的なスタイル≫に通ずる。具象絵画で形而上的・幻想的であろうとする場合の≪スタイル≫とはたとえば建石のような技法がその典型と言えるだろう。・・・」
高原英理『ゴシックハート』 (2004年、講談社) 絵画・映像のゴシック耽美
- 建石修志、村上芳正、ウィトキン、シジスモンディ