古書&アート作品

ライト・ミルズ
『第三次世界大戦の原因』

1959、みすず書房、初、地少汚れ、新書版、255P、村上光彦訳
1,500円

政治・軍事・経済にまたがる権力機構との関係から第三次世界大戦の原因を探る。 「戦争について考察することは人間の条件について考察することである。なぜなら、第三次世界大戦がどんな仕方で起ころうとしているかをみても、人間の条件はいまやきわめて明瞭に表示されているのだから。この戦争のための準備が、いまや世界の指導的諸社会の枢要な特色をなしている。この戦争の予想は、世界現実についての公的定義から生じてくる。これらの定義にのっとって、パワー・エリートは決定し、また、決定しそこねる。公衆と大衆は宿命論的に受けいれる。知識人は洗練し、また、正当化する。第三次世界大戦にむかっての漂流と突進と »続きを読む

ハロルド・ラスキ
『現代革命の考察』

1953、みすず書房、初、函、帯、全体的に痛みあり、菊判、522P、笠原美子訳
2,000円

戦後日本の社会科学に多大な影響を与えた、政治学者ハロルド・ラスキによる20世紀の時代精神を論じた重要な書。 「われわれは、人類の近代史において恐らく最も深刻なるべき革命的変革期の真只中に立っている。その本質において、ローマ帝国の没落や、宗教改革に伴う資本主義社会の誕生を見たような時代、あるいは、1789年おける如き、市民階級の劇的な権力獲得史の最終章にも比すべき深刻な意義を擔うものであることを認識せぬ限り、われわれはこの変革期の時代の内的な性格を理解し得ぬであろう。 この変革は思想家たちのつくり出した革命ではない。もっとも、思想家たちのうちには、この革命の来るべきを予見し、 »続きを読む

トーマス・クーン
『科学革命の構造』

1971、みすず書房、初、カバー(少焼け)、本体経年少焼け、中山茂訳、四六版、198P
1,000円

「科学における進歩とは何か。世界観の変革は、いかにして起るか。≪パラダイム≫概念を武器として、未開拓のテーマたる≪科学革命≫を鋭く分析し、コペルニクスからボーアまでの科学の歴史に新しい展望を与える。パラダイムとは広く人々に受入られている業績で、一定の期間、科学者に、自然に対する問い方と答え方の手本を与えるものである。思考の枠組としてのこのパラダイムを打壊し、自然についての異なった見方を導入することこそ革命にほかならない。」

多田富雄
『免疫の意味論』

1993、青土社、初、カバー、帯、本体三方少しみ、四六版、236P
1,000円

≪非自己≫と≪自己≫を区別し、個体のアイデンティティを決定する免疫論。 「・・・免疫的≪自己≫とは何か、≪非自己≫とは何か、と問いつめてみると、明快な答えは出てこない。分子論的解明が進めば進むほど、≪自己≫と≪非自己≫の境界は曖昧になってくる。しかし、このファジーな自己は、それでも一応連続した行動様式を維持し、≪非自己≫との間で入り組んだ相互関係を保っている。その成り立ち、行為、崩壊の様相を探ってゆくことは、同じくファジーな個体の生命を理解する手掛かりになると思われる。・・・生命論というほど大げさなものではないが、個体の生命というもっと高次のシステムの持っている手口の一部を »続きを読む

グレゴリ・ジルボーグ
『医学的心理学史』

1958、みすず書房、初、函(少焼け)、数ヶ所マーカー跡あり、菊判、403P、神谷美恵子訳
2,000円

ヒューマニスティックな精神から精神医学の歴史を紐解く名著。 「同じ人間でありながら、精神病者を各時代の人々はどのように捉え、取り扱ってきたのか。人間とは何か、人間の精神はどのように働くのか、人間の生きた心理を扱う、精神医学の基礎としての医学的心理学の歴史をヒューマニズムの視点から考える。医学的心理学と精神医学の誕生と発達の物語は内科学や外科学の歴史の要求する方法とは全く異なったやり方を必要とする。・・・内科学や外科学を語るには医者たちとその努力を物語ればよいが、精神医学のほうは文化の発達や法律学、神学、哲学などのある面の探究を必要とする。」