アントニオ・グラムシ
『知識人と権力』

1999年、みすず書房、初、カバー、帯、四六版、177P、上村忠男編訳


1,500円

知識人とは?、サバルタンとは?、地政学考察とか?、グラムシの論考。
「従属的社会集団の歴史(storia dei gruppi social subaltern)は、必然的に、断片化された、そしてエピソード的なものであらざるをえない。これらの社会集団が歴史のなかで展開する活動にも、たとえ暫定的な水準においてのものであるにしても、統合へと向かおうとする傾向が存在していることは疑いないが、この傾向は支配的社会集団の発動するイニシアティブによってたえず粉砕される。したがって、歴史がそのサイクルを、それも成功裡に閉じたとき、そのときになってようやく、そうした傾向が存在したことが証明されうるのである。従属的社会集団は、反乱し蜂起するときですら、つねに支配的社会集団のイニシアティヴをこうむっている。ただ、≪永続的な≫勝利のみが、それも即時にではなく、従属状態をうち砕くのである。実際にも、従属的社会集団は、勝利したかにみえるときでも、不断の警戒を要する防衛状態にあるにすぎない。(これが真実であることは、すくなくとも一八三〇年にいたるまでのフランス革命の歴史によって証明することができる)。だから、従属的社会集団の側から発揮される自律的なイニシアティヴの痕跡は、そのひとつひとつが全体史をめざす歴史家にとって計り知れない価値をもっているというべきであろう。そして、このことからは、そのような[従属的社会集団の]歴史はモノグラフ(monografia)のかたちをとってしか書きえないということ、また、そうしたモノグラフはそのひとつひとつがしばしば収集困難な膨大な資料を要求するということが帰結する。」(『従属的諸階級の歴史のために』より)