E. H. カー
『歴史とは何か』

1962、岩波書店、初、帯(少やけ)、新書版、252P、清水幾太郎訳

1,000円

≪歴史とは何か?≫という疑問に切り込んだEHカーによるの講演録。

「”歴史は、現在と過去との対話である。”・・・これは、彼の歴史哲学の精神である。一方、過去は、過去のゆえに問題となるのではなく、私たちが生きる現在にとっての意味のゆえに問題になるのであり、他方、現在というものの意味は、孤立した現在においてでなく、過去との関係を通じて明らかになるものである。したがって、時々刻々、現在が未来に食い込むにつれて、過去はその姿を新しくし、その意味を変じて行く。・・・EHカーの歴史哲学は、私たちを遠い過去へ連れ戻すのではなく、過去を語りながら、現在が未来へ食い込んで行くその先端に私たちを立たせる。」(清水幾太郎によるはしがきより)