湯浅泰雄
『身体の宇宙性:東洋と西洋』

1994、岩波書店、初、カバー、帯、四六版、323P

2,000円

身体=ミクロコスモスと宇宙=マクロコスモスとの照合を考える。
「人体を小宇宙(ミクロコスモス)にたとえ、大宇宙との間に対応関係をみる考え方は、神話時代の世界のさまざまな文化圏に見出される。原始の知性にとって、この関係は比喩以上の意味をもっていた。そこには、生命としての人間は大宇宙の存在と深くかかわることによって生きている、という直観が見出される。言いかえれば、大宇宙と小宇宙の対応関係は、宇宙の存在の神秘と自己の内にある生命というものの神秘が一つに感じられるということを意味している。神話は、この直観を象徴的にイメージによって語る試みである。それは、宇宙における人間の位置と存在の意味を問う人類の最初の問いであった、といえるだろう。人間の精神性についての探求はここから始まる。・・・」