西成彦
『森のゲリラ 宮澤賢治』

1997、岩波書店、カバー、帯、菊判変形、190P

1,500円

宮澤賢治の作品をクレオール的な視点から読み直し、童話がもつ政治性を照らし出す。
「童話が語る歴史は、時代を縦断、空間を横断し、個体を束に変え、すべてを匿名性で語る形式を重んじます。今日の歴史学はようやく固有名から自由になろうとしていますし、国境や地域の枠からもしだいに自由になりかけていますが、なかなか難しいのが、時代を縦断すること―これだけは現行の歴史学にとっては曲者以上のものです。
私が≪童話学≫にがんばってもらいたいと思うのは、この歴史学の弱点をぜひ≪童話学≫に補ってもらいたいと思うからです。・・・」