≪現実と想像力の交差≫としてのソンタグによる写真論。
「写真の眼が洞窟としての私たちの世界における幽閉の境界を変えている。写真は私たちに新しい視覚記号を教えることによって、なにを見たらよいのか、なにを目撃する権利があるかについての観念を変えたり、拡げたりしている。写真はひとつの文法であり、さらに大事なことは、見ることの倫理であるということだ。そして最後に、写真の企図のもっとも雄大な成果は、私たちが全世界を映像のアンソロジーとして頭の中に入れられるという感覚をもつようになったということである。」