土方定一
『画家と画商と蒐集家』

1963、岩波書店、帯、新書版、257P



1,000円

「・・・中世のはじめ、修道院のなかで聖書のミニアチュール挿絵を描いている僧籍にある画家は修道院という閉鎖社会に生きているが、次の時代になって、契約=注文=生産から自由=商品=生産に発展すればするほど、美術市場のなかで生活する画家となってくる。パトロン=蒐集家、発表し売買する仲介場所としての展覧会、売買を仲介する画商が構成する美術市場のなかに入らざるを得ない。そこには、形に影がそうように贋作が現われ、価格がきめられ、競売制度が生まれてくる。

本書は、いわば、鑑賞の背後にある絵の世界、巨匠たちの生きていた≪現代≫の生活的環境と、巨匠の手から離れた作品の社会、経済的現実について、ひとつの照明を与えようとしたものである。・・・」