ミッシェル・フーコー
『臨床医学の誕生』

1969、みすず書房、初、カバー、菊判、316P、神谷美恵子訳

2,500円

「臨床医学的経験とは、西洋の歴史の上で、具体的な個体が、初めて合理的な言語にむかって開かれたことを意味するのであって、人間対自己、及びことば対もの、という関係における重要な事件である。・・・ここで企てられた研究は、したがって、指示を与える意図はまったくなく、現代の医学的経験を可能ならしめた諸条件をはっきりさせ、批判的であろうとする意図的な計画を意味する。・・・他の場合と同様に、ここでも問題は、一つの構造論的研究なのである。この種の研究は、歴史的なものの厚みの中で、歴史自体の諸条件を解読しようと試みるものである。人間の思考のなかで重要なのは、彼らが考えたことよりも、むしろ彼らによって考えられなかったことのほうなのである。このノン・パンセは、初めから人間のもろもろの思考を体系化し、それ以後はこれを際限もなく言語であげつらいうるものとなし、さらにこれについて考える、という任務にむかって限りなく開かれたものにするのである。」