1988-89年、故昭和天皇の病いと死の時期のあいだの、日本人の行動様式と心性、そこに顕在化したさまざまな問題を考察した書。
「日本の天皇ヒロヒト、追号、昭和天皇は、一九八八年九月十九日、病にたおれ、翌八九年一月七日に逝去した。国葬は、国外から世界史上のいかなる葬儀をも明らかに上まわる数の貴顕参列者を迎えて、二月二四日にとりおこなわれた。この間の五か月半を、おおかたの日本人は重く張りつめた特異な雰囲気の中で過ごした。この国が経済繁栄によって変貌を遂げて以来、このときはじめて、第二次世界大戦とその負の遺産を省みる試みがなされ、とりわけ、被害者としてだけでなく加害者としての日本の役割に、目が向けられるようになった。だが、同時に、このような批判的自省の新しい芽を摘み取り、あるいは完全に圧殺しようとする自主規制が、壮観なまでに実行されもしたのだった。この本は、ヒロヒトの死についての照察の試みである。」
