瀧口修造
『スフィンクス』

瀧口修造
1903年生まれ、1979年没。詩人・美術評論家。日本の前衛芸術運動の理論的主柱を提供。主な著作に『妖精の距離』(1937年)、『近代芸術』(1938年)など。
瑛九
1911年生まれ、1960年没。本名・杉田秀夫。若年の頃より、『アトリヱ』『みづゑ』などに批評を執筆。デモクラート美術家協会創立(1951年)。油彩、フォトデッサン、版画などを通じ、独自の創作活動に携わる。

詩: 瀧口修造 アイデア: 久保貞次郎 編集: 福島辰夫

1954 年 限定 50 部 版画6葉:北川民次『地球創造説』;瑛九『5月のスフィンクス』; 泉茂『睡魔』;加藤正『岩石は笑った』;利根山光人『妖精の距離』; 青原俊子『魚の欲望』。奥付けに、瀧口修造、久保貞次郎、北川民次、三者の署名あり、 帙カバー背少痛み(少割れ)、裏少汚れ

00円 (在庫なし)

「夜の無い星
盲ひた眼の噴水
風の鏡の中の巨大な夜々
澄明な離島の巨大な足跡

軽い五月のスフィンクス
不條理な手の影たち

羞恥のない美のくぼみと自由
あなたはラヂウムの果物である
しかしうら若いその手は直ぐ
黒い無限の手套に慣れるだろう

暴風の日に
僕たちは恐ろしい孤独の虹を
殺された砂の上で放牧するだろう」