丸山圭三郎
『ソシュールの思想』

1981、岩波書店、初、函、A5版、352P

00円 (在庫なし)

日本におけるソシュール研究の礎となった古典的労作。
「その出発点からいわば螺旋上の上向・下向運動を繰り返した思想の発展過程には、一貫して≪認識主体と認識対象のいずれに優位性をおくか≫という古くて新しい哲学上の二律背反たる主観―客観の対立を、コトバの本質への照射を通して乗り越えてゆくことが目指されていた。彼のシーニュ理論の根底をなす≪差異≫の原理は、主知主義と経験主義をともに批判し止揚する基盤となり、これによって人間と世界の≪意味づけ、意味づけられる相互性≫という弁証法的認識に到達したと言えるだろう。まさにソシュールは、”最初の哲学的行為は、客観的世界の手前にある生きられる世界に立ち戻ること”という意味で、真の哲学者であった。」