カール・グスタフ・ユング
『ユング自伝1, 2』

1972、みすず書房、初、カバー(汚)、本体経年焼け、自伝2に書き込みと蔵書印あり、河合隼雄ら訳、四六版、1=290P、2=276P

00円 (在庫なし)

ユングによる内界への旅を記したオデュッセイアー。
「私の一生は、無意識の自己実現の物語である。無意識の中にあるものはすべて、外界へ向かって現われることを欲しており、人格もまた、その無意識的状況から発達し、自らを全体として体験することを望んでいる。私は、私自身の中のこの成長過程を跡づけるのに科学の用語をもってすることはできない。というのは、私は自分自身を科学的な問題として知ることができないからである。

内的な見地からすると我々はいったい何であり、人はその本質的な性質において何のように思われるかを我々は神話を通してのみ語ることができる。神話はより個人的なものであり、科学よりももっと的確に一生を語る。科学は平均的な概念をもって研究するものであり、個人の一生の主観的な多様性を正当に扱うにはあまりにも一般的すぎる。・・・私が企てたのは、私個人の神話を物語ることである。とはいえ私にできるのは、直接的な話をすること、つまりただ「物語る」だけである。物語が本当かどうかは問題ではない。私の話しているのが私の神話、私の真実であるかどうかだけが問題なのである。」