J. D. バナール
『歴史における科学』

1956、みすず書房、初、鎮目泰夫、長野敬訳

00円 (在庫なし)

「歴史は、過去においては、人類の意図と、人類の行動と、そしてまた、意識的にめざした目的とは非常に異なるものとなってしまったばあいの方が多かった事態のなりゆきとの記録であった。歴史は、ぼんやりとしか推量できぬ諸力の作用の場であり、しかもその力は、人間をもてあそぶ超越的存在物であるとあまりにたやすくみなされていた。われわれがそれ以上のものを歴史のなかに見いだすにつれ、また、それらの諸力や諸力がしたがわねばならぬ法則についてなにかを理解しはじめるにつれ、歴史の諸事件は意識的な計画と実行との結果となってゆくであろう。エンゲルスもいうように、社会の科学の発見ととに、人類の真の歴史は始まるのである。」