人文科学

神谷美恵子
『生きがいについて』

1966、みすず書房、重、カバー(少汚れ)、帯(背少焼け)、四六版、209P
1,000円

私たちの毎日の生活を生きる甲斐あるように感じさせているものは何であろうか。ひとたび生きがいをうしなったら、どんなふうにしてまた新しい生きがいを見いだすのだろうか。神谷美恵子の代表作。 「現代日本の社会、さらに現代文明と人間の生きがいの問題は今後ますます大きくのしかかってくるであろう。現代文明の発達はオートメーションの普及、自然からの離反を促進することによって、人間が自然のなかで自然に生きるよろこび、自ら労して創造するよろこび、自己実現の可能性など、人間の生きがいの源泉であったものを奪い去る方向にむいている。どうしたらこの巨大な流れのなかで、人間らしい生きかたを保ち、発見して »続きを読む

柄谷行人
『隠喩としての建築』

1983、講談社、初、カバー
00円 (在庫なし)

「哲学者を定義しようとしたとき、プラトンやアリストテレスが建築家を隠喩として用いたことは、建築がギリシャ語において意味したことから考えてみれば、単なる偶然ではない。古代ギリシャ語において、建築architectoniceは、architectonice techneの省略であって、architechtonのtechne(テクネー)を意味している。そして、architechtonは、始原、原理、首位を意味するarche(アルケー)と、職人を意味するtechtonとの合成語である。ギリシャ人において、建築はたんなる職人的な技術ではなく、原理的知識をもち、職人たちの上に立ち、諸技 »続きを読む

加藤周一
『雑種文化:日本の小さな希望』

1957、講談社、初、新書版、204P
00円 (在庫なし)

日本文化の特徴を雑種性と捉えた論考を軸に、長旅から帰国した著者が、教育、文学、社会などにつき、文化全体から眺め論じた評論で構成された書。 「西ヨーロッパで暮らしていたときには西ヨーロッパと日本を比較し、日本的なものの内容を伝統的な古い日本を中心として考える傾きがあった。ところが日本へかえってきてみて、日本的なものは他のアジア諸国とのちがい、つまり日本の西洋化が深いところへ入っているという事実そのものにももとめなければならないと考えるようになった。ということは伝統的な日本から西洋化した日本へ注意が移ってきたということでは決してない。そうではなくて日本の文化の特徴は、その二つの »続きを読む

E. H. カー
『歴史とは何か』

1962、岩波書店、初、帯(少やけ)、新書版、252P、清水幾太郎訳
1,000円

≪歴史とは何か?≫という疑問に切り込んだEHカーによるの講演録。 「”歴史は、現在と過去との対話である。”・・・これは、彼の歴史哲学の精神である。一方、過去は、過去のゆえに問題となるのではなく、私たちが生きる現在にとっての意味のゆえに問題になるのであり、他方、現在というものの意味は、孤立した現在においてでなく、過去との関係を通じて明らかになるものである。したがって、時々刻々、現在が未来に食い込むにつれて、過去はその姿を新しくし、その意味を変じて行く。・・・EHカーの歴史哲学は、私たちを遠い過去へ連れ戻すのではなく、過去を語りながら、現在が未来へ食い込 »続きを読む

川添登
『建築の滅亡』

1960、現代思潮社、初、背少焼け汚れ、新書版、208P
00円 (在庫なし)

来るべき建築、都市の未来を考える。 「・・・原始人たちは、大地が無限であり、また、時間が永遠であることを知っていた。それ故にこそ、彼らは、むしろ新陳代謝の状態こそ、その永遠性の中により良く生き続けることになると信じていたに違いない。 永遠性を主張する建築が出現するのは、権力を私有するものの発生によってである。自らの地位―その位置する時間と空間とを奪われることを極度に恐れたものが、いわゆる≪建築≫を生み出したのだ。また、中世のキリスト教徒たちが、永遠性を彼らの大伽藍に表現したのは、実に彼らが終末説を信じたが故にであった。 来るべき世紀は、人びとが土地から離れることによって、ふ »続きを読む